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Passage Botanique

パサージュ・ボタニック



庭にはさまれた家族の居場所

建主はフランス人の夫と日本人の妻、幼い子供2人である。夫には両親が大切に育む庭と共に成長してきた思い出があり、自分もそんな庭を持ちたいという夢があった。我々は土地探しから同行し、都心に出やすく広い庭が確保できる北面接道の土地が見つかった。

定石に従って道路側に建物を寄せると庭の面積を最大化できるが、今度は強すぎる陽当たりが問題になる。

そこで寝室や水廻りをまとめた総二階のボリュームを北に寄せ、平屋のLDKを南の庭の間に挿入して東西の庭に向けて大きな窓を開けた。深い軒や障子を設けたことで内外が結ばれ、一日の中で最も長く過ごすLDKが庭の一部のような雰囲気になった。

LDKの屋根は北側の総二階へ向けて登る片流れとした。結節点に設けたFRPグレーチングの家事台に居ると、2階各室と階下の生活、高窓を通した空が同時にみえる開放感が心地よい。

東西2つの庭では室内からも全体に目が届き、子供が安心して外に居られる。またフランス人と日本人のカップルということもあり、東側をザクロやモミジ、ウメやヤマモモなどの日本の植生を軸とした「見る庭」、西側をレモンやフェンネル、バラやアプリコットなどの西欧の植生を軸として野菜やミントなど食べられる植物を育てる「使う庭」という二つの異なる性格を持たせた。

無理に道路側に開くのは避けた。むしろ長屋門のように閉じた壁面にアプローチと駐車場を兼ねたトンネル状の大きな開口を通した。住宅のスケールから逸脱した大きな穴の奥に陽の当たる庭が見えることで、敷地全体が街に開いているようなウェルカムな印象になった。

引越しから2年余り、夢を叶えた夫は仕事の拠点を自宅に移し、Carré potager (桝型菜園)を自作してホップやミント、ベリー類に挑戦している。木々の成長と共に、日々庭も生活も育まれていっているようで嬉しい。


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