2F_見通し
2F_ねじれ屋根1
2F_ねじれ屋根2
外観_西立面
外観_南立面
1F_サンルーム
1F_サンルーム3
1F_キッチン
1F_LDK2
1F_寝室
1F_寝室2
1F_LDK3
1F_LDK1
1F_浴室
1F_サンルーム5
2F_ドーマー窓
2F_見通し2
外観_西
外観_東寄り
外観_東立面
外観_東夜景
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2F_ねじれ屋根1
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外観_南立面
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1F_サンルーム3
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Skew Hut

柏の平屋ねじれ屋根のせ



郊外住宅地を修景する

敷地は80年代に整備された千葉県柏市のニュータウンの一画にある。70坪程度の宅地に植栽豊かな庭やアプローチを備えた総2階建てが連続し、良好な街並みが形成されてきたが、30年経った現在、家族構成の変化による増築や建替えやミニ開発により隣家との距離が狭くなるなど、街並みに変化が現れ始めている。この計画も子世代が家を離れた夫婦のための建て替えであり、周辺の状況を受け入れつつこれからの30年を見据えた郊外住宅のあり方を考える必要があった。

まずは周辺に倣って敷地の南側を庭として増築の余地を残し、隣家の前庭と連続するように道路に面した塀をなくして車2台分の駐車スペースとアプローチをまとめた。また夫婦が老後を楽しむための住まいとしては地上階だけで暮らせる平屋が相応しいが、来客のためのスペースや、将来的に子世帯が住み継ぐなど、家族構成の変化を受け入れる余裕があるとよい。そこで、地上階は過不足なく暮らせるコンパクトなプランとし、その上空にたっぷりとした気積をもった屋根を載せることにした。また南面に大きな窓と縁側を設けることで、屋内と庭が一体化した水平の広がりが感じられると共に、ふと見上げると垂直に視線と空気が抜けていくような開放的なつくりとなった。

屋根は東から西へ向かって登っていく棟木をもつねじれた切妻で、遊歩道へは低く、道路側へは背の高い堂々とした構えで街並みとのスケールの違いに対応している。北側の屋根面全体がねじれているため湾曲した天井によって小屋裏が有効に使えるようになり、室内に多様な風景を生み出している。また大きな屋根面を利用して戸建住宅としては多い発電量(8.78kW)の太陽光パネルを設置し、ガラス屋根やドーマー窓、換気のためのハト小屋を設けて大きな気積の空間に風が抜けるような工夫を加えた。

建物が完成し室内にいると、大きな窓から庭を介して屋外の様子が伺え、小屋裏の窓からは遠く柏の葉キャンパスや近隣の森が見渡せる。菜園やぶどう棚がある庭は、道路と遊歩道の間を繋ぐ公園のように開かれた空間に感じられるようになった。30年前の宅地整備による建物や街並が現代の多様な住まい方によって変化していく今、その変化を受け入れながら住み方を選択でき、積極的に家を使い続けられる住宅のあり方が、これからの郊外の住宅地を修景していくことに繋がると感じている。


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